梅田信者が梅田本人の意向無視して、好きなことをやるのが望ましいなんて話を鵜呑みにする弊害はあるかもしれない。スキルが伴わない奴が好きなことに熱中するのはただの馬鹿であって、スキルが高くてもそれが商品価値を持たないと飯が喰えない。
この日記を始めた最初の日に「好きなことだけやろう」ということを書いたが、このように言われてしまえば、それはそのとおりだと思う。結局のところ、私は流されやすい人物で、その上、あらぬ妄想を膨らませたり、現実を見て一気にしぼんだりする。
現実にある程度満足する技術というのは、必要だと思う。そうしないと、いつまでも青い鳥症候群で、常に欲求不満状態になってしまう。まずは今、目の前の現状に満足する技術がなければ、おそらく現状がどのように好転していったとしても、さらに上を目指して満足できなくなってしまうだろうから。まぁ、自分がそれなりに上のほうに行ったことがあって、そう言っているのかというと微妙だが、少しでも下のほうに落ちてみれば、少なくともそこから上を仰ぎ見ることが出来るし、仰ぎ見た上の方が現状だった過去の自分は、やはり満足していなかったのだから、きっと、そういうことなのだろう。
まさに今、目の前にある現状に満足できない状態が続き、欲求不満状態が慢性化すると、いずれうつ状態になってしまう。そうすると判断力が低下するから、欲求不満状態を解決しようと無謀な行動に出てしまう。無謀な行動は大抵失敗するから、欲求不満の度合いはさらに高まる。「貧すりゃ鈍する」というのはよく言ったもので、まさにデフレスパイラルである。まさに、自分が身を持ってそういう状態(そういう人体実験はほどほどにしたいものだ。)にあるから、すべてにあてはまることではないとしても、そういう事例があるというのは間違いない。
出来れば、インフレスパイラルさせたいものである。経済ではインフレの行き過ぎは大問題を引き起こすが、満足のインフレは起きてもそうは困らないだろう。少なくとも、デフレよりはよほどマシだ。そのためには、まず、目の前にある現状に満足する技術が必要である。6月18日に引用した文章を、もう一度引用する。
まずは、今ある仕事をきちんとこなすところからはじめて見よう。それは必ずしもあなたが好きな仕事ではないかも知れない。好き嫌いはさておき、どうしたらその仕事がきちんと片付くかを考えてみよう。仕事そのものを目標にするのではなく、仕事の完了を目標にするのだ。大事なのは、やりとげるまできちんとやること。
「今ある仕事をきちんとこなす」というのも、現状に満足する技術の一つだと思う。
引用した文章の全文を最後まで読んでみて欲しいが、現状に満足するというのは、決して未来を諦めるとか、そういう意味ではない。
信頼される仕事をすること
どれだけニッチでも交換不可能な能力をとにかく磨くこと
タグ付けされやすい人になること
柔軟性を持って、つなげられる人であること
組織に属する必要はない
6月18日には、私自身もこのようなことを書いた。こういう風にしていけば、好きなことだけやれるようになるんじゃないか?というアイディアだ。これまた全文を読んでいただければと思うが、「信頼される仕事をする」というのは、まずは「今ある仕事をきちんとこなす」ということだ。
とりあえず、自戒として書いておく。