今日(2007年11月18日)の朝日新聞朝刊の補助線というコラムに、「寄付税制を読み解く 資金の流れ民から民へ」という記事が出ていました。
日本の団体が貧しいのは寄付が少ないからだ。日本の寄付は02年で7千億円余と米国の25兆円の30分の1以下。英国の約2兆円(04年度)にも遠く及ばない。これは寄付文化の差だけではない。
寄付税制の影響が大きい。個人や企業が寄付をすると税金が軽くなる税制だ。
(中略)
税金に着目すると、自分の払う税金の一部を、共感した団体に振り向ける仕組みともいえる。つまり、税金の使い方を政府ではなく、市民が直接決められるわけだ。
寄付した額が課税所得から控除される「寄付控除」が認められるには、寄付する先の団体が寄付控除の対象団体でなければなりません。NPO法人の場合は、国税庁長官から認定を受けた「認定NPO法人」になっている必要があります。
では、認定NPO法人には簡単になれるものなのでしょうか。
少しネットで調べてみると、以下のような記事を見つけました。
NPO法人が国税庁認定を受けにくい原因の一つは、申請手続きが煩雑で、全部で5~6センチもの厚さになる大部の資料を、6部も用意しなければならない点などにある。だが「税制優遇を得られるのだから、手間は当然だろう」と思う向きもあろう。
しかし多くのNPO法人は小規模で、専従常勤職員がいる法人は少ない。そのような団体の場合は、たとえば英米では簡素な申請手続きで税制優遇を与えてい る。現場の問題として日本のNPO法人は「税制優遇を得たくても、手続きが煩雑すぎて申請をあきらめてしまう」のが現状なのである。
とある海外支援を行っているNPO法人の場合は、煩雑な申請手続きに半年間の作業を要したという。
変わるか?認定NPO法人制度
これは2005年の記事ではありますが、今日の朝刊でもやはり財政基盤が脆弱と出ているあたり、あまり変わってはいないのではないでしょうか。実際、NPO法人が約3万2千あるなかで、認定NPO法人はわずか70なのだそうです。
行政書士の職域を考えると、何かできるかもしれない分野だと思います。既に、この分野にチャレンジしている人もいるようです。
とはいえ、晴れて認定NPO法人になったとしても、肝心の寄付控除の内容があまりメリットのあるものではないため、単純にそれで寄付が増えるというわけでもなさそうです(少ないパイの奪い合いで、有利になるくらいか?)。そこは、政治家が頑張らなければならない部分です。
とりあえずは、今ある制度を有効活用することを考えましょう。
今後、NPOが活躍する領域は、日本でも間違いなく大きくなっていくでしょう。単純に儲かる儲からないという世界とは違う領域が、社会の中で広がっていきます。その領域で行政書士も何か手伝える。それは、素晴らしいことだと思います。(行政書士になるというモチベーションが上がる話です。)