真壁昭夫さんの「下流にならない生き方」を読みました。サブタイトルは「格差社会の絶対幸福論」とあります。
ざっくり論旨をまとめると、日本は本当の資本主義国になったのだから格差が発生するのはやむを得ない。だから、政府はセーフティネットを充実させる必要がある。しかし、セーフティネットがあることと格差がないということは違う。自分の価値観を大切にして、自分の物差しで幸福になることを目指して、生きていくと言うことが大切ということでしょうか。
まず、絶対に過去(高度成長期)の日本には戻らないということ。国民全体がひとつの方向に向かって、ひとつの幸福モデルがあるという時代は、戻ってこないのです。だから、自分なりの幸福モデルを自分自身で作っていく必要がある。
そのために、自分なりの幸福モデルについて考えることをやめない、気になることがあったらすぐにやってみる、あきらめずにやってみる、社外のネットワークを作るといったことが挙げられています。
梅田望夫さんの一連の著書とつながるものがありますが、最終的には自分のやりたいことをやっている人がいちばん強いということですかね。
「誰かのために」という理由を付けて、ただ安定のためだけに自分のやりたくないことをやろうとする自分になりかけていたので、目を覚まされた気分です。安定は大切だし、責任を果たすために、自分のやりたくないことをやる必要もあると思います。ただ、それを安易な「誰かのために」という言い訳で誤魔化すのが良くないです。
安易に選択できるやりたくないことよりも、道のりは険しくともやりたいことに冷静かつ真剣に向き合った方が、最終的には幸福になれると思うし、その結果「誰かのため」にもなるのではないかと思います。
この本を読み始めた時、ちょうど「なんか暇だなぁ」と無駄に時間を過ごしていたので、そんな時間の浪費をするくらいなら、とにかく本を読むべしだなと、思いました。
もっと、社会のこと、経済のことを知るべきで、そういうことを知らないと、狭い視野での愚考の結果、どんどんやりたいことから離れていくような気がします。