白ロムのスマホを買うことの危険性

MVNO SIM(いわゆる格安SIM)が一般に普及しだして、スマホを白ロムで購入される方が増えているのではないかと思います。

Androidスマホでは、HuaweiやASUSといった中国・台湾メーカーや、最近は日本のFreetelなどが、比較的安価なSIMフリースマホを発売しています。また、富士通やシャープも市場に参戦しています。

SIMフリーか白ロムか

ただ、日本のAndoroidスマホの特徴であるおサイフケータイに対応したものは、富士通やシャープといったメーカーが発売しているものだけしかありません。こうしたメーカーのおサイフケータイ対応機は、中国・台湾メーカーの製品よりも割高感があり、一方で中級機であることからドコモなどの通信キャリアから発売されているフラッグシップスマホよりは魅力に欠けるという、中途半端な存在であることも否定できません。

そこで、ドコモから発売されているフラッグシップスマホを白ロムとして購入する人が増えることも頷けます。MVNO SIMのほとんどはドコモのSIMを使っていることから、ドコモの白ロムスマホであれば、問題なく使用できるのです。

私もそうしたことを把握した上で、ドコモのXperia系のコンパクト機種をZ1f→Z3 Compact→Z5 Compactと渡り歩いていたのです。iPhone6シリーズと比べると小型を保っているし、なによりおサイフケータイが使えるので、スマホさえ持っていれば電車にも乗れる、コンビニで買い物もできる、しかも残高が少なくなったらスマホ操作でチャージできると、「日本ならではのスマホ生活」を楽しんでいました。

白ロムの悲劇

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しかし、悲劇は突然やってきました。
まだ購入して10日足らずのXperia Z5 Compactに「おサイフケータイ遠隔ロック」がかかってしまったのです。

こちらとしては何の操作もしておらず、気が付いたらロックがかかっていた・・・。謎なのは、通信自体には問題ないことです。IIJmioのSIMを使っていましたが、電話もデータ通信も問題なくできます。
ドコモのネットワーク利用制限携帯電話機確認サイトで確認しても「○」なのです。

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まずはドコモショップに持ち込んでみましたが、ロックの解除は最初の購入者の委任状がないとできないという。(ドコモショップが言うには、スマホを個体認識するIMEIとドコモ契約者のSIMが、ドコモ社内のシステムで紐付いていて、実際に使用しているSIMとは無関係とのこと。「新品交換品」であったことから、最初の購入者がケータイ補償サービスを悪用した可能性も云々・・・。)

白ロムを通販で購入したショップに連絡してみても、初期保証の7日間を超えているから何もできないという。
ネット通販なので、そのショップが入っている某ショッピングモールのお客様センターに問い合わせても、これといった反応はない。ショッピングモールの保証サービスも対象外だという。

リスクをきちんと理解してから購入すること

要するに、白ロムを買ったことのリスクは自らが享受するしかない。
そういうことのようなのです。
白ロム代金とおサイフケータのチャージ残高、合わせて数万円・・・は、自己責任で水泡に帰してしまったのであります・・・。

ということで、白ロムの購入にはこういうリスクもあるということです。
ロックがかかった場合の保証を謳っているショップも多いのですが、いろいろ条件が設定されている場合があるので、きちんと規約を読んで、納得してから購入するようにしましょう。

この記事を書いた人

井上 研一

株式会社ビビンコ代表取締役、ITエンジニア/経済産業省推進資格ITコーディネータ。AI・IoTに強いITコーディネータとして活動。画像認識モデルを活用したアプリや、生成AIを業務に組み込むためのサービス「Gen2Go」の開発などを行っている。近著に「使ってわかった AWSのAI」、「ワトソンで体感する人工知能」。日本全国でセミナー・研修講師としての登壇も多数。