サービスになっていない物は何か?

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Image from page 63 of “Railway master mechanic” (1878) / Internet Archive Book Images

いま「<インターネット>の次に来るもの」という本を読んでいます。
6月に行われたIBM Watson Summitで、講演者のどなたかがオススメと言われていた本なのですが、読もう読もうと思って、このタイミングになりました。

まだ読み始めたばかりで第2章の途中といった具合なのですが、その第2章が「COGNIFYING」というタイトルで、コグニティブ・コンピューティングを標榜するWatsonの事例もやはり出てくるという章です。

実は、今日の夜、ちょっとした飲み会があって、各々がビジネスモデルを発表しなければなりません。堅苦しい飲み会ではないのですが、それも踏まえて、ちょっと考えてみようと思うのです。

サービスになっていない物は何か?

これは、昨日、この本を読み始めて「はじめに」のところで堪らずツイートした一言です。

「靴をはく」という言葉は、その行為を指すのではなくサービスになる。

「靴をはく」という極めてフィジカルなことですら、サービスになるというのです。それは、新たな靴が定期的に提供される「靴のサブスクリプション・プログラム」になるかもしれませんし、靴という外形的概念を超えて、靴が提供する「歩きやすい」とか「足が汚れない」といった機能を何らかの方法で提供するサービスになるかもしれません。どういうサービスが提供され、何が商業的に成功するかは流行り廃りがあるので分かりませんが、とにかくサービス化「されるようになる(BECOMING:本書第1章のタイトル)」というわけです。

人工知能とIoT

「人工知能(AI)」と「IoT」。
この2つの言葉は、いまバズワードのようになっていて、何に対してもこの枕詞で語れば、聞いてくれる人が現れるだろうというものです。
それはたしかにそうなのですが、これについてはどうやら本物ではないかなと、私は思っています。

どんな分野のものも自由に選んで、ちょっとAI機能を付けて、クラウドに置いておくだけでよかったんだよ!

これは、第1章「BECOMING」の中で、2016年を人工知能の創世記と見立てて、人工知能が一般化した未来の人たちが振り返って言うだろうという言葉です。
インターネットがすっかり当たり前になったいま、その創世記であった1990年代のインターネットを振り返れば、同じような言葉が口をつきます。それと同じことだというわけです。

先ほどの靴の例でも、サービス化の鍵を握るのは人工知能とIoTです。靴のようなフィジカルな「モノ」をクラウドにつなぐのにIoTは欠かせませんし、クラウドでそのデータを認識し、予測し、実行してサービスを成立させるには人工知能が必要です。

そんなわけでビジネスプラン

本書では「ちょっとAI機能を付け」るようなビジネスを展開するベンチャーが1万社は現れるだろうと予測しています。成功するか否かは流行り廃り次第というわけですが、これだけのベンチャーが現れるとなれば、最も安定して利益を残すのはIoTデバイスや人工知能クラウドのベンダーです。残念ながら?

ただ、今からそういう基盤系のベンダーを作るのは大変で、資本力がまったく足りない・・・。とすると、次はコンサルタントやインテグレータということになります。ただ、技術的にはかなりコモディティティ化しているので、どの程度インテグレータの出番があるかというと、それほどでもないかもしれません。しかも、こうしたベンチャーはスモールスタートするし、そもそもクラウドがこれほど普及している昨今、大規模なIT投資はそもそも必要ではありません。

その辺全体を1人で扱えるエンジニアの需要は高まるかもしれません。ベンチャーに雇われたり、共同で設立したりということがあるでしょう。

と、意外とつまらないビジネスプランしか出てこないのです。
コンサルティングとかじゃなくて、お前自身がサービスを作れよ!という声も聞こえてくるような・・・。

ただ、こうしたIoT系のサービスを思いつくのは、私のようなITを専業にやってきた人間ではないような気もするのです。今まで、現実としてモノを扱ってきた人たち、会社の方が強いのではないかと思います。それだけの知見を持っているはずだからです。つまり、今までプログラムとは無縁に来た人の方が思いつくのではないか。
だから、逆にその辺の実装に知見のあるエンジニアはコンサルティングやインテグレーションに回る方が良いのではないかと思うわけです。あと、教育も有望ですが。

ITを専業にやってきた人間がサービスを思いつくとしたら、日々の些細な不満を丹念にメモして蓄積しておくことが重要ではないかと思います。そうした消費者的視点における不満に対して、人工知能やIoTをプラスすれば何かできるのではないか・・・。常にそれを考えるクセをつけておけば、そのうち思いつくのではないかという風に思っています。

というわけで、あまりビジネスプランになっていませんが、今日の夕方までに考えることにしよう。

この記事を書いた人

井上 研一

経済産業省推進資格ITコーディネータ/ITエンジニア/ブロガー。
井上研一事務所代表、株式会社ビビンコ代表取締役、一般社団法人ITC-Pro東京理事。
北九州市出身、横浜市在住。 AIやIoTに強いITコーディネータとして活動中。著書に「初めてのWatson」、「ワトソンで体感する人工知能」など。セミナーや研修講師での登壇も多数。

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