「重要なポイントはそこにはないんだよ。この例が私達に示してくれる真実は、大きな岩を先に入れないかぎり、それが入る余地は、その後二度とないという事なんだ」
はてなブックマークでかなりの注目を集めている。コメント欄でも触れられているが、「7つの習慣」に書いてある寓話だ。別に大学の授業で「7つの習慣」から抜き出して話をしても一向に構わないし、そもそもその寓話自体が「7つの習慣」で初出なのかは分からない。
この寓話は、優先順位を判断する際に、自分の価値観を重視することの大切さを教えている。何を大きな岩と判断し、また小さな石や砂と判断するかは、自分の価値観で決めなければ意味がない。だから、まずは自分の価値観というものをはっきり意識する必要がある…というのが、「7つの習慣」や「フランクリンプランナー」の話の持って行き方。緊急かつ重要に見えるけど、実は大したことのないこと(仕事やイベントやその他いろいろな出来事)というのは、とても多い。ひょっとすると、今までの自分の人生は、そういうことばかりにとらわれてきたのではないか?と思う人も、少なくないのではないだろうか。
自分自身も、ひょっとしたら、そうなのかも…と思わないこともない。かといって、人生の早い時点(小さいな石や砂で壷がいっぱいになる前)に、入れるべき大きな岩を見つけることが出来た人というのは、かなり幸せで、それこそが実は才能なのではないかと思ったりする。「夢を叶えよう」といっても、その夢が持てない人には、叶えるも何もないのだ。
入れるべき大きな岩を探して歩き回っているうちに、壷には何も入れぬまま時間だけが経過するとしたら、小さな石や砂でも壷を一杯にした方がマシという考え方も出来る。雑事でも現実に没頭していたほうが、現実からの逃避ばかりを考えているよりは何十倍も良いのではないか。精神衛生上、優れているのではないか。
大きな岩の話は、たしかに優れた寓話だが、そんな穿った見方も出来るのである。
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