Androidでノマドになるためのツール

佐々木俊尚さんの「仕事するのにオフィスはいらない」は読まれたでしょうか?
私は、小飼弾さんの書評を見て、その日に読むことを決めて、ひととおり読んでみました。

その書評はまた次回ということにしますが、この本ではスマートフォンでクラウドを使いこなすことが、ノマドな仕事の仕方をするための方法として、かなりのページを割いて取り上げられています。
しかし、私はiPhoneを持っていない。というか、ついこないだ、日本初のAndroidケータイこと、NTTドコモのHT-03Aを買ったのです。そこで、Androidを使って、佐々木さんの紹介するiPhoneの使い方が、どの程度実現できるのかをご紹介しようと思います。

クラウドでニュースを読む

RSSリーダーの紹介ですが、佐々木さんはGoogleリーダーを使い、iPhoneではバイラインを使っているそうです。
Androidでは、NewsRobを使えば同じようなことが出来ます。自動でGoogleリーダーの未読を同期するので、電波が届かないところでもチェックできます。同期でダウンロードしておくコンテンツを、RSSで配信されている範囲だけでなく、配信元サイトからダウンロードするように指定することも出来ます。
NewsRobで読んだものは、PCでGoogleリーダーを開くと、ちゃんと既読になっていますし、あとでじっくり読みたいと思ったらスターを付けておけば、それも同期されています。

クラウドの入り口、ウェブブラウザを強化する

ソーシャルブックマークなどが紹介されているのですが、特にiPhoneの話は出てきません。
私はdel.icio.usを長く使っていて、FireFoxにもアドオンを入れて、良いページはすぐにブックマークするようにしているのですが、Androidでも同じことが出来ます。それを実現するのは、Beeliciousというソフトウェアです。Beeliciousを起動すると、自分のdel.icio.usでのブックマークが一覧表示されるのですが、それは大した話ではありません。
重要なのは、Beeliciousをインストールすると、標準のブラウザやYouTubeの「共有」メニューにBeeliciousが現れれて、ブックマークできることです。
FireFoxにアドオンを入れた状態とほとんど同じ操作感が実現できます。

Androidが凄いと思ったのは、この「共有」というアクションがOSの標準のようになっていることです。私はTwitterクライアントとしてTwitterRideを使っていますが、これもインストールすると、共有メニューに現れるようになります。気に入ったページやYouTubeの動画を、あるときはdel.icio.usに、あるときはTwitterに、と共有することが出来るのです。

共有に対応するソフトウェアは、BeeliciousやTwitterRideのようなソーシャルサービスにポストするためのものと、そのツールを使って共有させることが出来るもの(ブラウザやYouTube)の2種類があります。後者のツールにはNewsRobがあります。つまり、Googleリーダーの未読をチェックしつつ、そのままdel.icio.usやTwitterで共有することも出来るわけです。私がHT-03Aを買うことにした理由は、実はこれが出来るからなのです。

クラウドで頭を整理する

ToDoを管理するクラウドのRememberTheMilkには、Astridを使えば同期した状態で使うことが出来ます。(Androidでは標準でToDoが入っていないので、Astrid自身でRememberTheMilkと同期した状態でToDoを管理します。)

また、Evernoteが紹介されていますが、残念ながら、まだAndroid用のソフトウェアはありません。Evernoteの公式モバイルサイトはAndroidの標準ブラウザに最適化されているようですが、あまり使いやすくありません。EvernoteのAndroid用クライアントが出れば、間違いなくキラーアプリになるはずです。

GoogleカレンダーとGmail

GoogleカレンダーとGmailは、当然のようにこの本で紹介されていますし、iPhoneを使えば同期も出来るようです。では、Androidは?というと、当たり前ですね。Googleケータイなんだし。当然のように同期できます。

以上のように、まだ発売されたばかりのAndroidですが、iPhoneと同じようにノマドに役立てることが出来ます。Androidをもっと活用して、ノマドなワークスタイルに出来るだけ近づけていきたいと思います。

この記事を書いた人

井上 研一

株式会社ビビンコ代表取締役、ITエンジニア/経済産業省推進資格ITコーディネータ。AI・IoTに強いITコーディネータとして活動。画像認識モデルを活用したアプリや、生成AIを業務に組み込むためのサービス「Gen2Go」の開発などを行っている。近著に「使ってわかった AWSのAI」、「ワトソンで体感する人工知能」。日本全国でセミナー・研修講師としての登壇も多数。