特性と分野でニッチを見つけ出す

自分のニッチを見つけるのはどうすれば良いのでしょうか。これは語り尽くされたテーマです。決定打はありません。ニッチを見つけるのは簡単なことではないし、人それぞれ違ったやり方があります。誰でもこれをやれば大丈夫という方法は、あり得ないのでしょう。

とはいえ、自分なりの方法を考えることは出来ます。私はニッチを構成する要素として、特性と分野があると考えます。特性とはどうやってやるかです。分野とは何をやるかです。

特性について

性格分析に関するテストを行うと、特性が見えてきます。例えば勝間和代さんの強烈なプッシュでおなじみのストレングスファインダーを使うと、あなたの強みは自我、着想、活発性、最上指向、戦略性の5つですといったように教えてくれます。ここにあげた5つは私のテスト結果なのですが、強みの組み合わせがすべて同じという人はほとんどいません。この組み合わせはたしかにニッチです。でも、それがわかったところで動き出せるのでしょうか?動き出せません。

分野について

もうひとつ必要なのは分野です。これについても本は出ているしテストもあります。ただ、特性に関する本とは違って簡単なテストにはなっていません。あなたのキャリアを棚卸ししてみようとか、あなたが子供の頃に好きだったことはなんだろうかといった質問に文章で答える形式です。これは、自分の分野はこれから新たに見つけるのではなく、いままでの人生で出会っているはずだという前提に基づいています。中谷彰宏さんによれば、自分の本当にやりたいことは自分がいままでの人生で中途半端でほったらかしてきたことの中にあるのだそうです。

同様のテストは、Evernoteやはてなブックマークでもできます。いままで自分がため込んできた情報が、自分の興味そのものだからです。ユビキタスキャプチャをしていたら見つかったというケースです。Lifehacking.jpの堀さんはこれを「自分のテイストをこしとる」と表現していました。

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分野に特性を組み合わせる

特性と分野が見つかったら、これをミックスして考えましょう。自分の分野をベースにして、それに自分の特性を重ね合わせてみたら何が出てくるかです。

例えば、Evernoteを振り返ってみたらブログの書き方とかソーシャルネットワークのことばかりため込んでいる。キャリアを棚卸しするとシステム開発の仕事をしていて、これからCRMの仕事をすることになりそうだ。いままでの仕事の中身を振り返ると、顧客の話を聞いてその話をシステム開発の言葉にしてプログラマに伝えるような仕事で、それが評価されているようだ。人前で話すことについても評価されている。

一方でその人の特性を見ると、目立つことが好きで仕事を人生そのもののように考えている(自我)、アイディアを出したり物事の仕組みを見つけるのが好き(着想)といった強みがあります。

こうした分野と特性をミックスして考えると、ソーシャルネットワークについて仕組みのレベルまで落として考えて(この段階でCRMの考え方を注入する)、新しい何かを産み出すようなことをして目立てばよい。ソーシャルネットワークで目立つにはどうすればよいのかを考えて、それを発表しようということになります。それが生涯の仕事になればなおさらよい。

既にお分かりだと思いますがこれは私自身のことです。

しかし、私のニッチはまだ荒削りです。まだ範囲が広いと感じています。それに市場を開拓できていません。だからダメというのではなく、いまそうしたことを調整している最中です。日々書くこと、そして反応を見ること。この繰り返しによって、ニッチは磨かれ、市場の中でしっかりとしたい場所を見つけることが出来るのだと思います。

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この記事を書いた人

井上 研一

株式会社ビビンコ代表取締役、ITエンジニア/経済産業省推進資格ITコーディネータ。AI・IoTに強いITコーディネータとして活動。画像認識モデルを活用したアプリや、生成AIを業務に組み込むためのサービス「Gen2Go」の開発などを行っている。近著に「使ってわかった AWSのAI」、「ワトソンで体感する人工知能」。日本全国でセミナー・研修講師としての登壇も多数。