MEDIAS WELLNESSが駄目だと思う理由

MEDIAS WP N-06CにはMEDIAS WELLNESSというダイエット支援アプリが入っています。
Androidには数多くのダイエット支援アプリがあるのですが、機能を見ると特定の機種にしか入っていないアプリとはいえ、決定版ともいえるアプリだと思います。

実際、私がMEDIAS WPを買った理由の一つにこれがあるくらいです。それだけの期待があり、使い始めてはみたものの、結局投げ出すことになってしまいました。
それは、私の意思が弱いからといってしまえばそれまでですが、アプリの作りにも問題があるように思うのです。

もし、MEDIAS WELLNESSの担当者の方がこの記事を見ていたら、ぜひ改善アイディアとして使って欲しいと思うと同時に、いざ自分が何かアプリを作るときに教訓にしようと思い、駄目だと思うところを書いておこうと思います。

アプリが重い!

MEDIAS WELLNESSの画面は非常に綺麗に出来ています。そもそもMEDIAS WPはパンフレットに長谷川潤の写真を載っけたりして、女子向けに出来ているのですが、この画面も女性誌の表紙のようで、明らかに女子向けです。
それは良いのですが、どうにもアプリが重いような気がします。もしかしたら、アプリがの起動や動作そのものが重いというより、画面の遷移などのユーザインタフェースが駄目で重いように感じるのかもしれません。

毎回ログインはウザい!

ユーザインタフェースが駄目だと思う理由の一つがこれです。何をするにもアプリを立ち上げたら、ログインしないといけない。MEDIAS WELLNESSはデータをサーバに蓄積するタイプのアプリだし、体重などの情報はあまり表に出したくない情報ではあります。しかし、何を食べたという食事のレコーディングの度にいちいちパスワードを入力してログインしないといけないとしたら、入力する気を失うのは時間の問題です。例えば、Twitterアプリが毎回ログイン操作を必要としたら、あなたはつぶやくでしょうか。
毎回パスワードを入力したいと思う人はそれでも良いでしょうが、自動でログインする方式も併せて採用するべきでしょう。

レシピよりカロリーデータをダウンロード対応にして欲しい

MEDIAS WELLNESSが提案するダイエット方法は、レコーディングダイエットです。そのため、食事の度に何を食べたかをレコーディングする機能が根幹となります。また、最近の食事の傾向から何を食べるかを提案したり、ダイエットメニューのレシピを参照する機能もあります。

ここでこのアプリの設計が不可解と感じるところがあるのです。食事のレコーディングからカロリーを計算する機能では毎回サーバへの問い合わせが入ります。食べたもの1つずつに、1度はサーバに問い合わせます。一汁三菜の食事なら、ご飯も合わせて5回もサーバへの問い合わせが入ります。あ、あと保存も必要なので6回か。

一方、レシピについては巨大なデータをMEDIAS WP本体にダウンロードするような仕様です。なんでやねん!レシピこそサーバ問い合わせスタイルを採るべきで、食事のカロリーデータをダウンロード対応にしてサーバ問い合わせを保存時の1回だけにすれば入力が手軽にする方が望ましいと思います。

カロリーデータにはコンビニや外食のメニューも入っているので、データの更新が必要となるため、サーバ問い合わせにするという考え方もありますが、それは本体にダウンロードしたデータに存在しない場合だけサーバ問い合わせにするとか、カロリーデータの更新版を随時ダウンロード出来るようにすれば良いだけです。

PCからも入力できるようにして欲しい

PC版を提供して、ネットにつながったPCが使えるときは、PCでレコーディングするという方法があります。Androidからレコーディングするときも常にデータはサーバに保存するスタイルなので、PCからもアクセス出来るようにすることは技術的には容易なはずです。

ちなみに、スマートフォン用Webサイトの利用は可能です。但し、PCからアクセスすることは出来ないようです。

他に手はないのか?

MEDIAS WELLNESSの最大の問題は日々の入力が面倒ということに尽きます。考えられる対策はいろいろあるのですが、MEDIAS WPというスマートフォンにプリインストールするアプリという都合上、あまりスマートフォン本体から離れるというわけにはいかないというマーケティング上の事情があることは想像できます。

それでも、ログインの簡略化やカロリーデータのダウンロードといった対応は実現可能だと思いますし、既存の月額315円のプレミアムプランで、PC版が提供されれば私は喜んで加入するでしょう。

MEDIAS WELLNESSはMEDIAS WPの発売以後、特にバージョンアップされていません。NECカシオとしては特に何かお金をかけるつもりはないのかもしれませんが、機能的には十分魅力的であるだけに、アプリの作りで活用されないのは残念と言うより他にありません。

この記事を書いた人

井上 研一

株式会社ビビンコ代表取締役、ITエンジニア/経済産業省推進資格ITコーディネータ。AI・IoTに強いITコーディネータとして活動。画像認識モデルを活用したアプリや、生成AIを業務に組み込むためのサービス「Gen2Go」の開発などを行っている。近著に「使ってわかった AWSのAI」、「ワトソンで体感する人工知能」。日本全国でセミナー・研修講師としての登壇も多数。