Let’s note RZ4 LFDJR(2015年夏・LTEモデル)レビュー 後編

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前回の記事では、Let’s note RZ4のノートPCとしての使い勝手について、レビューしました。

RZ4は、2in1スタイルといって、画面部を360°折り返すとタブレットとして使うことが出来るようになります。
この記事では、タブレットスタイルでの使い勝手と、前回書かなかったLTEについて書いていきます。

タブレットスタイルでの使い勝手

画面部を折り返す

RZ4をタブレットとして使うには、画面部を360°折り返します。そうすると、画面の裏側でキーボードがむき出しになります。
タブレットとしてRZ4を持つと、手は常にキートップかタッチパッドに触れていることになります。
もちろん、それでキーボードやタッチパッドが反応するわけではありません。実用上は問題ないのですが、なんとなく指の先が騒々しいというか、なんとなく気になってしまいます。

それを見越して、Panasonicではキーボード部を覆うカバーを発売しています。高いものではないし、一応私も買ってみたのですが、常に持ち歩いて使うか?というと微妙な代物です。RZ4をほとんどタブレットとして使っていて、キーボードを使うのは稀だというのなら良いでしょうが(というか、そんな人は素直にタブレットを買って、Bluetoothキーボードと一緒に使えば良いと思う)、私のように基本的にはノートPCとして使っていて、たまにタブレットとして使う場合は、指先の騒々しさは我慢して使うしかないでしょう。

耐久性を誇るLet’s noteなので、折り返しで気になるヒンジの強度は十分です。折り返した後で、画面部がぐらつくようなことはありませんし、ノートPCスタイルでの使用時に画面にタッチしても、それほど揺れません。その点は、安心です。
但し、Let’s noteでお馴染みの、100kgf加圧振動試験や76cm動作落下試験は、タブレットスタイル時は対象外となっています。タブレットスタイルのまま持ち歩くのは最小限にしましょう。

重さ・厚み

RZ4の重さは745g。LTEモジュールを搭載したLFDJRでも770gなので、モックかとも思える圧倒的な軽さです。
また、本体の厚さは19.5mmと、それほど薄くはありませんが、有線LANポートを持っている以上、仕方ないレベルです。
普段の持ち運びでは、それで十分すぎるほどなのですが、タブレットとして片手で持って使うには、ちょっと重いなと思います。厚みも気になります。

iPadやAndroidタブレット、通常のWindowsタブレットの代わりとしてRZ4を使うのは、ちょっと厳しい。
あくまでノートPCとして使って、時折タブレットとして使うというのが、RZ4との良い付き合い方でしょう。

タッチのレスポンス

タブレットとして肝心なタッチのレスポンスは、何の問題もないレベルです。iPadにも対抗できるレベル。
多くのWindowsタブレットで採用されているAtomよりも性能が高いCore Mを搭載しているし、液晶画面はダイレクトボンディング方式が採用され、タッチパネルと画面表示部の隙間がないので、スムースなタッチ操作が可能です。

Windows8.1のタブレットとしての使い勝手

RZ4のハードウェア自体は、タブレットとしても十分な完成度なのですが、残念なところがあるとすればWindows8.1の出来。
PC向けとタブレット向けのOSを統合しているため、逆に両者の操作が入り混じり、操作の統一感がありません。
例えば、ウィンドウ上で指を下から上に動かした場合、ちゃんとスクロールするのかとか。スクリーンキーボードが表示された際に、起動しているアプリのウィンドウ上に乗っかる形で表示されるので、ウィンドウの表示が見えなくなるとか(デスクトップ用アプリの場合)。
細かい話ですが、そういう細かな違和感が積み重なって、使い勝手が悪いなぁという印象を残す結果になってしまいます。

その辺は、今月末にはWindows10が登場することですし、そちらに期待することにしましょう。

LDFJRはLTE搭載モデル

RZ4にはLTE搭載モデルがあります。以前はPanasonic Store限定で、店頭販売は対象外だったのですが、2015年夏モデルからは店頭販売向けにもLTEを搭載したものが出てきています。
私の購入したLFDJRは、その店頭販売向けのLTE搭載モデル。LTEを搭載していることは購入に至った大きな理由でもあります。(以前使っていたLet’s note RシリーズにはWiMAX搭載モデルがあり、やはり私はそれを使っていたのです。)

RZ4に搭載されているLTEモジュールは、ドコモのXi用となっていて、完全にSIMロックフリーというわけではないようです。ただ、市場に出ているMVNO SIMのほとんどはドコモのSIMを使っているので、何の問題もありません。
動作保証されているSIMは、Panasonicが運営するWonderlinkのみですが、他のMVNOでも問題なく使えます。私は、NifMoとOCNの両方を試しましたが、どちらも大丈夫でした。普段は、OCNの15GB(最大通信速度500kbps)コースを使っています。

まとめ

Let’s note RZ4は、たしかに高額で、気軽に購入できるものではありません。ただ、実際に使ってみると、この価格になるだけのことはある!と思わせる高い機能性と品質を持っていることが分かります。

私が普段使っているMac Book Air(11.6インチモデル)と比べると、PCとしての基本性能では劣ります。しかし、フットプリントが小さく、カフェの小さなテーブルでも気軽に使えたり(11.6インチのMac Book Airですら大きく感じることがあります)、必要に応じてタブレットとしても使えることで、iPadを一緒に持ち歩かなくても良くなったこと、そしてLTE搭載により画面を開くだけでネット接続が完了していることなど、RZ4には多くの魅力を感じます。

ビジネスシーンにおいても、VGAポートや有線LANが必要になることは、まだまだあります。Mac Book Airでは、それぞれケーブルを持ち歩かなければいけないのですが、RZ4はどちらも本体に内蔵。とにかく、本体だけ持ち出せば良いというのは忘れ物の心配がなくて安心です。

さらに細かいことですが、RZ4はこのサイズにしては奇跡的なことにバッテリーパックが外れます。つまり、ACアダプタが使えない時間が相当長時間になってしまう場合には、もう1つバッテリーパックを持ち歩くことができ(RZ4はJEITA1.0で14時間、JEITA2.0でも10時間なので、その必要はほとんどありませんが)、1~2年ほど使ってバッテリーが劣化した際に、気軽に交換できるという安心感もあります。

そんなわけで、分かる人には分かる!それがRZ4の魅力です。
これは長期に渡って愛用して、高いお金を出して購入したモトを取っていきたいと思います!

この記事を書いた人

井上 研一

株式会社ビビンコ代表取締役、ITエンジニア/経済産業省推進資格ITコーディネータ。AI・IoTに強いITコーディネータとして活動。2018年、株式会社ビビンコを北九州市に創業。IoTソリューションの開発・導入や、画像認識モデルを活用したアプリの開発などを行っている。近著に「使ってわかった AWSのAI」、「ワトソンで体感する人工知能」。日本全国でセミナー・研修講師としての登壇も多数。