放送大学大学院で3ヶ月半ほど学んだことによる変化

昨日の記事にも書いたように、放送大学大学院で学び始めて3ヶ月半ほどが経ち、第1学期に科目登録した2科目の最終レポートの提出が終わりました。

昨日の記事以外にも、いくつか放送大学で学ぶことについて書きました。

第1学期の学習がだいたい終わったところで、大学院に入ったことで生じた生活の変化について、まとめておこうと思います。

論文を読むことが普通になった

まず、挙げられるのは論文を読むようになったことです。今までも人工知能系の論文は時折読むことがあったのですが(いちおう人工知能学会の会員なので)、その他のことについてもCiNiiやGoogle Scholarで論文を探してみるということをするようになりました。

見つけた論文は、すかさずZoteroという論文管理ソフトに保存します。

自宅ではMacBook ProかWindows PCを使っているので、その両方にZoteroをインストールしています。Zoteroは専用のクラウドが準備されているのですが、無料プランだと容量に限りがあるので、非推奨のようですがZoteroのデータ保存先をownCloudで同期することで、複数の端末でデータを共有しています。

また、Azure VM上にUbuntu環境があるので、そこにもZoteroをインストールしました。このUbuntu環境はownCloudサーバでもあるので、ここはWebDAVで接続して、データを共有しています。

最近は、出先にはiPad ProとMagic Keyboardを持ち歩いているのですが、残念ながらiPadにはZoteroがありません。そこで、ownCloudアプリを使ってZoteroのデータフォルダ内にある論文PDFを直接読むか、自宅のWindows環境かクラウドのUbuntu環境のどちらかにRemote Desktopで接続して、Zoteroを使っています。

先行研究を調べるようになった

このように論文を本格的に読むきっかけとなったのは、第1学期で受講した「研究のためのICT活用」の中間レポートが、先行研究レポートを書くというものだったからです。

自分の論文を書く、研究をするためには、まずは先行研究を調べなければなりません。自分の研究テーマ及びその周辺テーマにおいて、誰がどの程度まで研究を進めているのか、つまりそのテーマにおける知のフロンティアはどこにあるのかを先行研究調査によって知る。そして、そのフロンティアに自分なら何を付け加えられるのか?それが研究計画であり、実際の研究なわけです。

先行研究は著書や特許として発表されることもありますが、多くは論文として発表されます。だから、先行研究を調べることのうち大部分は論文を探し、読む作業ということになります。そのため、先ほど挙げたように論文を読むようになったし、そのための環境を整えたのです。

ブログを毎日書くようになった

と、高尚なことを言いつつも、まだ私は修士選科生。研究計画書を書いていない身分で、まだ「研究」というより「勉強」の段階。
まずは、日々の生活に問題意識を持ち、自分にとっての問題(研究テーマ、リサーチクエスチョン)を見つけることが必要です。

最終レポートの1つに、こんなことを書きました。

インプットをもとに、自分の頭で考え、技術的なことは自分の手を動かして試し、ブログにアウトプットする。それは、自分の頭を整理し、興味の履歴を記録するツールになっている。こうした活動の積み重ねが、自分の問題意識を研ぎ澄まし、修士論文で取り組む問題を決めることにつながるのではと考えている。

先月の15日(というのは私の誕生日ですが)から、このブログを再び積極的に書くようになり、今日のこの記事まで毎日継続して書いています。1ヶ月を超えて毎日書くというのは、ブログというもの自体を始めたごく初期の頃を別とすると、初めてではないかと思います。今まではだいたい掛け声倒れで、せいぜい2週間、下手すると3日とかが普通だったので、1ヶ月を超えて続くというのは、自分にとっては奇跡的なことです。

それというのも、先ほど自分のレポートを引用したように、この積み重ねが自分の研究につながっていくのではないか…という期待があるからこそなのです。

まとめ

大学院に行きたいという思いはずっと持っていて、2015年に産業能率大学を通信教育課程で卒業してからというもの、ある程度その思いは現実的な課題になって、どうしようか…とずっと考えていました。

大学院は費用もかかるし、学部の通信教育が極めて充実している産業能率大学でも大学院は通学だったりする…。それに通うことは現実的に可能なのだろうか。そんなことをずっと考えながら、いろいろな大学院のWebサイトを見たり、出願期限が迫る度にあーだこーだと考えていました。

それが、放送大学の大学院であれば、通信教育で受講できるし、論文にもしっかり取り組めそうだし(修士論文を書くことが卒業の大前提)、九州へのUターンを考えている現時点においては、どこでも受講できるという魅力は捨てがたい。
さらに、修士選科生であればすぐに受講を始められるし、費用も低廉であるということから、エイヤーと出願したのが今年の3月でした。

4月から受講を始めて、この3ヶ月程度の間に起きた生活の変化はとても前向きなものだったと思います。この期間はCOVID-19騒動の渦中でしたが、通信教育、特に受講した科目は全てインターネットで完結するオンライン科目であったことが幸いして、何の影響を受けることなく、受講を進めることができました。

この前向きの変化を今後も生かして、まずはブログを毎日書くということを続けて、思い描いた理想に近づけていきたいと思います。

この記事を書いた人

井上 研一

株式会社ビビンコ代表取締役、ITエンジニア/経済産業省推進資格ITコーディネータ。AI・IoTに強いITコーディネータとして活動。2018年、株式会社ビビンコを北九州市に創業。IoTソリューションの開発・導入や、画像認識モデルを活用したアプリの開発などを行っている。近著に「使ってわかった AWSのAI」、「ワトソンで体感する人工知能」。日本全国でセミナー・研修講師としての登壇も多数。