2024年の振り返り

2024年も年の瀬です。毎年、大晦日には今年1年を振り返って何か書くというのが定例化しておりまして、今年もまた書きたいと思います。

まず、昨年の同様の記事なのですが、会社(株式会社ビビンコ)としては、人を雇ったり、インターン生の来る予定が決まったりと、人材的な話を書いています。これについては、結局、また1人に戻りしました。インターン生はインターンとしてだけで終わったし、雇った人は、個人的に関係のある会社に転籍してもらって、そこで一緒に仕事をしているという状態です。少なくとも、株式会社ビビンコとして雇っている人はいません。

「人を雇う」ということについて、まだ覚悟が決まっていないというか、自分の会社にしっかりビジネスがあって、それで人に来てもらって・・・と言う状態に、まだ自分の会社がないということだと思います。人を雇っても、それをそのまま別の会社に出すだけなら、その会社に雇ってもらう方が筋ではないかな・・・と。

Gen2Goと生成AI

今年のトピックを1つ挙げるとすれば、やはり「Gen2Go」ということになります。自分の会社でしっかりプロダクトを作って、リリースするというのは、これが初めて。「焼くッチャ君」もあったのですが、これはプロダクトとしては未完成のまま終わってしまったという感じなので。

開発当初からの最低限の目標であった、「北九州発!新商品創出事業」の認定を受けることができましたし、Gen2Goがあることを前提としたお仕事も少しずつできてきています。

来年は、Gen2Goを中心として生成AI関連の取り組みをさらに加速していく必要があります。時代の潮流ということもありますが、何よりニーズがある、そのニーズが私のところに来ているという実感があります。

ITコーディネータ

ITコーディネータとしての活動も、様々に取り組みました。2022年末から構想・執筆に携わった「ITコーディネータ・プロセスガイドラインVer.4.0」は無事、今年3月にリリースされました。引き続き、ケース研修開発のワーキンググループに参加して、今月半ばには東京でインストラクター移行研修の講師の1人を務めました。ケース研修については、もう少し作業が残っていますが、今年取り組んだことの一つではあります。

また、先日のITコーディネータ・カンファレンスの場で、2月1日が「ITコーディネータの日」として認定を受けたわけですが、来年2月1日には、「ITC Synergy Forum」が行われます。その中で、生成AI活用についても議論がありますが、そこで中心的な役割を担わせていただくことになりました。来年は、ここ1~2年の生成AIについての取り組みと、ITコーディネータとしての活動が融合する年となります。

公的支援活動

北九州市ロボット・DX推進センターの専門家及びDXコーディネータになって3年が経ちました。今年も引き続き、多くの中小企業の皆さまのDX支援の現場に立つことができました。DXコーディネータとしての活動だけでなく、専門家としての活動もいくつか行うことができ、より現場の仕事ができたと思います。

また、福岡県DX人材育成・確保促進事業の専門家も務め、こちらでも何件かの活動を行っています。北九州商工会議所の専門家の活動も行いました。

公的支援については、何らかの形で継続されていくものと思いますが、原資が税金であり、議会の議決に基づいている以上は、いつ、どのような制度に変わっていってもやむを得ないものです。公的支援に頼り切ることなく、民民での支援でも良いと思われるような成果を出していくことが必要かと思います。

研修・セミナー登壇

今年も多くの研修・セミナーでの登壇を行いました。念願の北九州市での登壇も叶いましたし、久しぶりに200人規模のセミナー(DXPO’24福岡)の登壇もありました。

来年も続々と登壇予定が決まっています。特に、1月下旬から2月初旬は登壇ツアーのような状況です。生成AIブームならでは、かと思います。

ただ、ブームで終わらせてはならないのです。生成AIは、ChatGPTのようなチャットで使うものから、業務システムへの組み込み、さらにAIエージェントへと進んでいくことになります。中小企業にとってのユースケースをできるだけ多く見つけ、生産性の向上や新たな価値の創出につなげていく必要があります。そこで私がどういう支援ができるか。研修・セミナーの登壇だけでなく、先に挙げたITコーディネータ協会での活動や、Gen2Goのお客様への導入など、場所はあるのです。その場所で何ができるか、考えていきたいと思います。

2025年は融合と成果の年に

このように振り返っていくと、去年~今年でいろいろと種が蒔かれたのではないかと思います。生成AIとGen2Go、ITCプロセスガイドライン、中小企業支援などです。そして、この年末になって生成AIをキードライバーに、蒔いた種が育ち、融合する端緒が見えてきました。

来るべき2025年は、これらを融合して、成果につなげていく年にする必要があるのではないかと思います。

ちなみに、ChatGPTにここまでの文章を伝えて、来年やるべきことについて考えてもらうと、「公的支援で得た知見を基に、独自のDX支援パッケージを開発」というアイディアを出してくれました。たしかに、そうかもしれません。この独自のDX支援パッケージの軸として生成AIが入ると、オリジナリティのあるものになりつつ、様々の活動が融合していくのかもしれません。

一方で、ChatGPTは、「長期的な視点での自己成長とビジョンの構築」の必要性も教えてくれました。良質なアウトプットを行うには、インプットが重要です。また、アウトプットの方向性も整理していく必要があります。ここ数年、自分の便利屋的な側面が出過ぎているような気がしないでもなく、その分、大きな成果につなげられていないのでは?という危惧がないではありません。フォーカルポイントを決めて、活動を整理・集中させていくタイミングでもあるのかもしれません。

ということで、今年の振り返りでした。

本年は皆さまに大変にお世話になりました。
新年も、またよろしくお願い致します。

この記事を書いた人

井上 研一

株式会社ビビンコ代表取締役、ITエンジニア/経済産業省推進資格ITコーディネータ。AI・IoTに強いITコーディネータとして活動。画像認識モデルを活用したアプリや、生成AIを業務に組み込むためのサービス「Gen2Go」の開発などを行っている。近著に「使ってわかった AWSのAI」、「ワトソンで体感する人工知能」。日本全国でセミナー・研修講師としての登壇も多数。