DXとはIT革命のラストワンマイル

最近、DXについての登壇依頼がいくつかあって、トレンドゆえだと思うのですが、DXって何だろうな?ということを考えています。

まぁ、DXについて登壇するのに、DXって何だろう・・・と考えていて良いのか?という気がしないでもないのですが、そもそもDXの定義について明確な答えがないから仕方ないな・・・という風に思います。

定義も定かでないようなDXは、ではバズワードなのか?とも思うのですが、一概にそうとも言い切れないだろうと。

ちなみに、バズワードの定義はWikipediaでは、こうだそうです。

バズワードとは、技術的な専門用語から引用したり、それを真似た言葉で、しばしば、素人がその分野に精通しているように見せるために乱用される、無意味だが、かっこいい、それっぽい言葉のことである。 また、特定の期間や分野の中でとても人気となった言葉という意味もある。権威付けされたり、専門用語や印象付けるような技術用語。

さもありなん。

ただ、一つ思うのは、いまのITシステムが、ITシステムの使い方が、さらにはいまの企業経営が、日本社会が・・・、このままの形で10年も20年も続けば良いな・・・と思う人はおそらくいないだろうということで、特にCOVID-19の関係で新しい生活様式と働き方改革が求められる昨今では、そういう観点からも、COVID-19の前に戻って、それがずっと続けば良いとは、やっぱり思わない。

だとすると、どういう風に変革が行われるべきか。そこにデジタルとかITという要素が絡んでくることは間違いなく、ここ20年くらいのインターネット革命、IT革命が届いていない、リアルの世界の最後のワンマイル(それがとんでもない幅を持っていて、とてつもなく広大なのだが)、つまり、リアルの世界にもインターネットを中心に生まれた様々な革命の恩恵を拡げていくことがDXなんじゃないかと思ったりしているのです。

IoTがなぜ必要かというと、デジタルの恩恵をリアルの世界に拡げるためだし、AIがなぜ必要かというとIoTセンサーだけでは捕捉しきれないリアルデータを人の代わりに読み取るためであり、そうして得られた膨大なデータを活用するためです。
xRはデジタルの世界とリアルの世界をつなぐための様々な方法として、活用されることになるでしょう。

いまのインターネット社会が、いわゆる理想的な姿なのかというと決してそんなことはないのでしょうが、それでもAmazonの方がリアルの書店よりちょっと便利なのは間違いないし(リアルの書店がダメだと言っているのではない)、そんなデジタル世界ならではの便利さをリアルの世界にも横展開できれば、この世の中もおそらくちょっとは便利になるだろう。

まぁ、そういうことがDXなのかなと思っていたりします。ただ、思っているのだけど、いまひとつ実感が湧いていないというか、形而上学的な話のような気もしていて、その辺は引き続き考えていきたいと思っています。

この記事を書いた人

井上 研一

株式会社ビビンコ代表取締役、ITエンジニア/経済産業省推進資格ITコーディネータ。AI・IoTに強いITコーディネータとして活動。2018年、株式会社ビビンコを北九州市に創業。IoTソリューションの開発・導入や、画像認識モデルを活用したアプリの開発などを行っている。近著に「使ってわかった AWSのAI」、「ワトソンで体感する人工知能」。日本全国でセミナー・研修講師としての登壇も多数。