7つの習慣では、人間をコンピュータのプログラムにたとえることを何カ所かでしている。コンピュータは、「誰か」が「プログラムを書き」、「そのとおりに実行される」ことで動作している。
人間はどうであろうか。プログラムとは何で、誰が書いているのか。そして、プログラムどおりに実行されているのだろうか。7つの習慣における、私的成功の習慣においては、プログラムを書くのは自分であり、プログラムとはミッションステートメントと目的であり、そのとおりに実行することは自分自身の責任である。
プログラムを書くのが自分であることは第1の習慣「主体性を発揮する」であり、ミッションステートメントを書くことは第2の習慣「目的を持って始める」、実行することは第3の習慣「重要事項を優先する」で説明されているのだ。
では、第2の習慣について、さらに見ていこう。
第2の習慣「目的を持って始める」
すべてのものは2度作られる
第1の創造は、目指すべきゴールを創造することで、リーダーシップにあたる。そして、第2の創造は、実際にゴールに到達することで、マネジメントの領域だ。第2の習慣は、第1の創造に相当する。
第1の創造は、第1の習慣に基づき、自分自身で責任を持たなければならない。
ミッションステートメントを書くことは、影響の輪の中心にある
ミッションステートメントは自分自身の憲法である。自らの深層にある価値観、方向付けを文章にする。このミッションステートメントが自分の人生のゴールになる。ミッションステートメントを書くのは時間がかかるが、それだけの価値のある活動だ。また、時間の経過に沿って、少しずつ書き直していくと良い。
ミッションステートメントを書くには、「自覚」の力で自らのパラダイムを発見し、「良心」の力によってそれが原則に沿うかを評価し、自分独自の使命を発見する。そして、「想像力」の力によって最終的な姿を思い描く。
生活の中心には不変の原則を置くべきだ
生活を支えているのは、安定性、方向性、知恵、力である。生活の中心に何を置こうとも、この4要素が生活を支える。
生活の中心には、仕事中心、家族中心、遊び中心、所有物中心、自己中心などがある。しかし、こうしたものを中心に置くと、それ自体に強い影響を受けて、不安定な生活を余儀なくされる。また、多くの人はひとつの中心ではなく、複数の中心を持ち、外部環境に応じて何かが表面に出る相対主義に陥っている。これはジェットコースターのようなものだ。
どのような外部環境の変動にも動じない不変の「原則」を生活の中心に置くべきだ。不変の原則は「人には親切にすべきだ」といった誰もが認める古からの価値観であり、自分の良心に深く問いかけると見えてくる。
前述のとおり、自分のミッションステートメントを書く際に、自らの良心によって不変の原則に沿っているかを評価する。こうして不変の原則との調和をとり、かつ自分の独自の使命を表現するのだ。